ガーデン、長期計画、始まる♪-Ⅰ
テニスアリーナガーデン様のガーデン制作のお話しいただきましたのは、2011年の夏のことでした。
この2011年は、公私ともに本当にたくさんの哀しい出来事がことがありました。3月に東北で大きな災害がありましたがこの東北の災害は3年経過した今でもまだ大変です。ご関係のみなさまにお見舞い申し上げます。
そしてその災害の一週間後に、私事ですが、息子のように大切にしていたラブラドールのセレスが15才で虹の橋を渡りました。そしてその二週間後、3年の間病と闘った父が覚めない眠りにつきました。仲の良かったセレスと父が一緒にいるのならそれはそれで良いと思いながらも、長い時間を共に暮らしたふたりとに残された私の寂しさはどうにもすることができませんでした。
・・しかしその5月、私はチェルシーフラワーショーに出展作品の製作スタッフとして出かけることになりました。哀しいさなかではありましたが昨年の夏に決めたことでしたので出かけました。世界的なショーに参加できましたこと、素晴らしい数々の作品を製作過程から見ることができましたことはとても勉強になりましたし、ショーの後2週間、ひとりでイングリッシュガーデン巡りをしたことは癒しのみならず感動をたくさんいただいた素晴らしい時間でした。
帰国して、テニスアリーナガーデン様からお話しいただきさつそく拝見に伺いましたが、花と緑こそありませんでしたが、とても清潔感のある親しみやすさのあるテニススクールでした。
広い場所を、どこをどういうふうに緑化していこうかと、お施主様とたくさん考え何度もミーティングを持ちました。テニスで施設を利用されるお客様に喜んでいただくことや緑化が環境や地域に優しいことになるためには、どういう最終形・コンセプト・プロセスが適しているかなど、考えるべきことがたくさんありました。
花香菜の主張に、「ガーデンは、できることは自分たちで管理をして、花や緑と触れ合う時間を楽しんで、植物から癒しや喜びをもらってほしい」ということがあります。テニスアリーナガーデン様の緑化に当たっては、スタッフの皆さんが植物との触れ合いを楽しんでほしい、そしてその喜びをそのお客様方と分かち合ってほしいということがありました。
そこで、3年計画で、「花育」という名目の花と緑の関わりを始めることになりました。
まずスタッフのみなさんに花と緑を植えて管理をしていただきます。もちろん植え方・育て方・管理の仕方のお話もします。一応「花育」です、土や根の話、そしてイングリッシュガーデンや日本庭園のお話もさせていただきました。講師が私ですので「力不足」のところもあったかもしれませんが、スタッフの皆さんがたくさんの知識や技術を習得してくださったことはとてもうれしい限りです。三年目の今、この花と緑の触れ合いは、イベントの中で施設を利用されるお客様へも広がりを見せています。
さてガーデン制作のお話です。
今まで花や緑のなかった上記写真のところ、敷地内の通路だったりしたところがガーデンに変わります。いきなりの変化で問題の生じることを避けるために、まず施設の周りに「仮ガーデン」を設置するところから始めることにいたしました。テニスで施設を利用されるお客様のお邪魔にならないか否かを検討しながら、そしてスタッフの皆さんが、植物を植えて管理するということを経験しながらの少しずつ進めました。最初はパースを描いたのですが、「仮ガーデン」ですのでいきなり制作するようになり、花や緑はだんだん増えてどんどん大きくなって行きました。